arrow-up icon
Image

Fixstars Amplify Annealing Engine

Amplify AEは、複雑な組合せ最適化問題を高速・高精度に解く革新的なアニーリングエンジンです。

graphical divider

Amplify Annealing Engineとは

すぐに使える高性能なアニーリングエンジン

Fixstars Amplify Annealing Engine(Amplify AE)は、GPUの優れた並列計算能力を最大限に活用し、複雑な「組合せ最適化問題」を高速かつ高精度に解くための革新的なアニーリングエンジンです。

製造業の生産スケジューリング、物流における配送ルート最適化、金融分野のポートフォリオ設計など、現代社会が直面する多くの課題は、膨大な選択肢から最良の解を見つけ出す「組合せ最適化問題」として定式化できます。Amplify AEは、これらの困難な問題に対し、強力なソリューションを提供します。

aistation-amplify

Amplify Annealing Engineの3つの強み

gpu-quantum

特許技術で引き出すGPUの最大性能

Amplify AEは、シミュレーテッドアニーリングを基盤とした独自のヒューリスティックアルゴリズムを実装しています。当社の特許技術を用いた並列化手法により、AI分野で広く利用されるGPUの計算能力を極限まで活用し、探索プロセスを劇的に高速化します。

従来は膨大な計算時間を要した大規模で複雑な問題に対しても、実用的な時間内で精度の高い解を導き出します。さらに、Amplify AE は求解パラメータの調整が不要で、専門知識がない方でも簡単に高い性能を引き出せます。これにより、ユーザーは本来の目的である業務課題の解決に集中できます。

3d-surface

現実世界の複雑な制約に柔軟に対応

Amplify AEは、最大4次までの多項式で表現される目的関数や制約条件を扱うことが可能です。これにより、現実の複雑な問題の定式化を容易にし、より高度で精度の高い最適化計算を実現します。

さらに、直感的に使える「Fixstars Amplify SDK」と組み合わせることで、多様な最適化問題をシンプルなコードで記述でき、Amplify AEの強力な計算能力を最大限に引き出すことが可能です。

研究から実用まで、選べる求解モード

Amplify AEは、用途に応じた2つのモードを提供しています。

01. 制約モード

実社会の複雑な問題をそのまま入力できるモードです。複雑な制約条件はソルバーが内部で自動的に処理します。

02. PUBO・QUBOモード

量子アニーリングやイジングモデルの研究用途に最適なモードです。高次の項も扱える汎用イジングマシンとして、高精度に動作します。

パフォーマンス

Amplify AEと他社製ソルバーを用い、組合せ最適化の著名なベンチマーク問題や、実在する企業の業務課題で性能を比較しました。いずれのグラフも横軸は求解時間、縦軸は目的関数の値を示しており、左下にあるほど「速く、良い解」を得られたことを意味します。

ベンチマークの詳細は、こちらを参照してください。

典型問題のベンチマーク

A社ソルバーより

18倍 高速

に求解可能*

B社ソルバーより

217倍 高速

に求解可能*

通常のナップサック問題は、荷物の価値と重みが与えられて、重みが一定の値に収まるような荷物の選び方のうち価値の総和が最大になる選び方を求める。これに対しQKPでは荷物のペアで追加の価値が生じることを考慮する、より難しい問題。

ベンチマークデータは、それぞれ11回実行した中央値をプロット。

* 各社ソルバーが最適解に到達するまでの時間で比較。

最適解への到達時間
Amplify AE v1
0.23秒
A社ソルバー
4.1秒
B社ソルバー
50秒

A社ソルバーより

7.5倍 高速

に求解可能*

A社ソルバーより

14倍 速く

実行可能解を発見**

容量制約付き運搬経路問題 (CVRP) は、組合せ最適化問題の一種。車両の積載容量に制限のあるk台の車を使ってn個の配送先に荷物を届けるルートのうち、距離や輸送コストが最小となるルートを選ぶ問題。

ベンチマークデータは、それぞれ11回実行した中央値をプロット。

* A社ソルバーの最良解と同じ輸送コストの解を得るために要した時間で比較。
** 実行可能解を見つけるために各ソルバーが要した実行時間で比較。

実行時間60秒での最良解 (中央値)
Amplify AE v1
輸送コスト 589
A社ソルバー
輸送コスト 653
B社ソルバー
(実行可能解が得られず)

業務課題のベンチマーク

A社ソルバーより

243倍 高速

に求解可能*

最適解に到達するまでの時間

0.14

工場の生産スケジュールにおける生産コストを最小化する業務課題。2次の目的関数と933個の線形不等式制約を含む。

ベンチマークデータは、それぞれ11回実行した中央値をプロット。

* 最良解を得るのに必要とした時間で比較。

最良解の計算時間
Amplify AE v1
0.14秒
A社ソルバー
34秒
B社ソルバー
50秒

A社ソルバーより

6.0倍 高速

に求解可能*

A社ソルバーより

800倍 速く

実行可能解を発見**

様々な制約がある中で、最も効率の良い作業員シフトを組む業務課題。2次の目的関数、365個の2次等式制約、720個の線形不等式制約を含む。

ベンチマークデータは、それぞれ11回実行した中央値をプロット。

* A社ソルバーの最良解と同じ評価値の解を得るのに要した時間で比較。
** 実行可能解を見つけるために各ソルバーが要した実行時間で比較。

実行時間60秒での到達解 (中央値)
Amplify AE v1
評価値 23.71
A社ソルバー
評価値 24.48
B社ソルバー
(実行可能解が得られず)

料金プランと計算性能

最大カット問題*を対象として、異なる3つの問題サイズで、各プランにおけるGPUの種類がアニーリング速度**に与える効果を測定しました。

Basic/Standardプラン、Premiumプラン、S-Premiumプランの順に高性能なGPUが使用されます。問題サイズが大きいほどGPUによる性能差が大きくなるため、大規模な計算ではより上位のプランのご利用を推奨します。

S-Premiumプランで最大

6.2倍 高速

Basic/Standardプラン比

S-Premium+3GPU追加オプションで最大

23.8倍 高速

Basic/Standardプラン比

* 最大カット問題は、グラフのノードを 2 つのグループに分ける方法のうち、両端点が別のグループに所属するエッジの本数が最大となるような分け方を求める問題です。
** Amplify AE内部で1回のモンテカルロサンプリングに要する時間の逆数を測定。

主な仕様

変数タイプ バイナリ
最大問題サイズ
(全結合)
8,192 変数 (Basic) / 65,536 変数 (Standard) / 131,072 変数 (Premium)
最大次数 目的関数: 4次 / 制約条件: 4次
制約条件タイプ 等式・不等式 (Constraint モード) / ペナルティ関数 (PUBO モード)
数値精度 入力: 64bit 実数 / 計算精度: 64bit 実数 / 係数情報: 32bit 実数
最大実行時間 10秒 (Basic) / 10分以上 (Standard, Premium)
  • 最大問題サイズや最大実行時間はご契約プランにより異なります、詳しくは価格表をご覧ください。
  • Enterpriseプランでは、実行時間の上限なく、GPUメモリに応じて131,072変数をさらに超える大規模な問題にも対応可能です。
  • 対応GPU: NVIDIA Volta / Ampere / Hopper (NVIDIA Blackwellにも順次対応予定)

他にも使えるマシンやソルバー

Fixstars Amplifyでは、外部の量子アニーリング・イジングマシンや数理最適化ソルバー、ゲート式量子コンピュータの組合せ最適化問題を解くアルゴリズムなど幅広くサポートしています。

D-Wave Systems
東芝デジタルソリューションズ
富士通
日立製作所
Gurobi
IBM
Qulacs