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株式会社野村総合研究所 マルチクラウドインテグレーション事業本部
プラットフォームサービス開発統括部

量子コンピュータの有効活用による
最適化ソリューション「Fiboat」の価値向上

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NRIの皆様

ご利用製品

Fixstars Amplify Annealing Engine

お話を伺った方

マルチクラウドインテグレーション事業本部 プラットフォームサービス開発統括部
砂長谷健 様 (写真右側)
渡辺和泉 様 (写真中央)
土井健 様 (写真左側)

聞き手
株式会社Fixstars Amplify 代表取締役社長 CEO
平岡 卓爾
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背景

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    量子時代を見据え、量子コンピュータを含めた最先端技術の検証や研究開発を推進中
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    量子コンピュータやイジングマシンなどの最先端マシンを活用することにより、野村総合研究所が展開する最適化ソリューション「Fiboat」の価値の向上を図りたい

活用の成果

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    量子コンピュータを用いて自社データセンタの熱源設備の消費電力最適化に取り組み、一定条件下で10%程度の電力削減効果があることを確認
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    上記の取り組みを通し、今後の事業開発にとって重要な量子コンピュータやイジングマシンの有効活用に関する知見を習得
1. 最適化ソリューション「Fiboat」について

現在、我々のチームでは、労働生産性の向上やCO2の削減などの課題の解決に向けて、量子コンピュータや数理最適化アルゴリズムの技術検証および研究開発に取り組んでいます。また、その取り組みで得た知見を活かして、物流、エネルギー、小売等のさまざまな業界向けの最適化ソリューション「Fiboat」の事業開発を進めています。

近年は機械学習などによる将来の予測が技術的に容易となってきており、幅広い業界において、予測に基づいた意思決定を支援する最適化が注目を集めていると感じています。

Image Fixstars Amplify 平岡(左)、NRI 渡辺様(右)

量子コンピュータは、実用化に向けて積極的な研究開発が進められており、その活用領域の一つとして期待されているのが最適化です。一方で、最適化の領域では、量子以外の従来型のコンピュータ技術を活用した専用マシンや最適化アルゴリズムも多く登場しています。我々としては、量子コンピュータとそれ以外の手法の特徴をきちんと理解し、来たる量子時代を見据えながら、適切な手段の選択が行えるよう意識しています。

2. Fixstars Amplifyの魅力

我々のチームでは、さまざまな業界のお客様の最適化問題に取り組んでいます。実務上、量子コンピュータとそれ以外の手法を比較した時に、扱うことができる問題サイズの点などから、現時点では、従来型コンピュータを使った専用マシンやアルゴリズムの方が現実的な選択肢となるケースが多いです。特に、組合せ最適化問題では、様々なマシンの中でも、Fixstars Amplify AEは扱うことができる問題サイズが圧倒的に大きく、かつ、サンプルコードなど開発に必要な情報提供が充実しているため大変使いやすいと感じています。 また、Fixstars Amplify SDKを使用してプログラムを開発することにより、量子時代が到来した際にも、既存のプログラムを無駄にすることなくシームレスに移行することができる点も大きな魅力の一つと考えます。

3. イジングマシンの有効活用のために

Fixstars Amplify AE をはじめとしたイジングマシンは組合せ最適化問題に特化した専用マシンです。その特徴の1つとして、決定変数同士の掛け算である二次の項を含む最適化問題を高速に解けることが挙げられます。二次の項を効果的に活用することで、より現実に即した良い解を得ることができる可能性があるのですが、二次の項をどのように作るかが難しく、工夫が求められるポイントです。

先日、我々は、自社のデータセンターの「熱源設備」の消費電力最適化に取り組み、一定条件下で10%程度電力の削減ができる見込みを確認しました。この事例の中でも、二次の項をどのように有効活用するかという点で多くの試行錯誤をしましたが、Fixstars Amplifyの方々とも共に取り組むことで、貴重な知見を得ることができました。

Image 自社データセンターの電力最適化の結果

関連リンク: NRIプレスリリース/量子コンピュータを用いてデータセンターの電力消費量削減に向けた実証実験を実施(2022/12/6)
https://www.nri.com/jp/news/info/cc/lst/2022/1206_1 decoration

4. 今後のFixstars Amplifyへの期待

今後も、Fixstars Amplify社と協力して、量子時代を見据えた最適化の推進に取り組んでいければと思っています。また、Fixstars Amplifyには、最適化の開発環境や実行環境の拡充のみならず、さまざまな用途向けの量子コンピュータの活用基盤の開発などの検討にも期待を寄せております。

*本記事の掲載内容は全て取材時(2023年4月)の情報に基づいています

インタビューを終えて
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Fixstars Amplifyの開発パートナーとして、ともに量子コンピューティング技術の適用先を探索している野村総合研究所様にお話を伺いました。量子時代の到来を見据えつつ、お客様の課題解決のために「今使える」技術を見極めるスタンスに、個人的にも共感します。量子コンピュータや数理最適化の研究開発を手掛ける専門家集団に、Fixstars Amplifyの良さを認めていただけているのは大変ありがたく思います。 Fixstars Amplifyは、無料で手軽にお試しいただけるベーシックプランから、野村総合研究所様のような開発パートナー様によるシステム開発まで、幅広いユースケースにお応えできるサービスです。ご興味いただける方はぜひお問い合わせください。

聞き手: 平岡 卓爾(株式会社Fixstars Amplify 代表取締役社長 CEO)

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