(左から)鍋島様、水口様
Fixstars Amplify Scheduling Engine(Amplify SE)
株式会社タアフ デジタル推進グループ 取締役
水口潤一朗 様 (写真右側)
株式会社タアフ デジタル推進グループ
鍋島一斗 様 (写真左側)
タアフ様は、クリーンルーム仕様ロボット・半導体装置・航空機・医療などの分野を中心に精密部品加工事業をおこなっている会社です。Amplify SEを生産性向上プロジェクトに活用していただいており、その具体的な取組みについてお話を伺いました。
水口様弊社の特長は、高信頼部品をつくる力とお客様の課題やニーズに合わせた提案型ものづくりです。事業規模の拡大に伴いものづくりの考え方を大きく変えるため、生産性向上プロジェクトが立ち上がりました。このプロジェクトは、製品工程分析によって明確となった以下の三つのテーマに取り組むことで生産性の向上を目指しています。
最初は手探りではありましたが、製造現場と一緒に考慮すべき点や作業量を絞り込んでいき、プロジェクトは着実に進んでいきました。
しかし、生産計画の精度向上については具体的な方針策定が難航しました。小ロット化により生産計画を短サイクル化すると在庫削減が出来ますが、同時にこれまで以上に計画立案の精度とスピードが求められ、生産計画担当者の負荷が上がってしまいます。実はこの活動に取り組む前から、計画担当者は『生産計画立案の自動化』を要望していたので、さらに負担を増やすわけにはいきませんでした。他にも社内を知り尽くしていないと計画は立てられないので、出来る人が限られることや担当者の業務時間が長くなるという課題もあり、システム導入による業務効率化が必要だと考えました。
水口様現場の計画担当者と一緒に一部の製品の一つの工程から進め、そこで得た知見を前後の工程や他の製品へ垂直水平に展開したいと考えていました。しかし、市販のシステムは導入時に自社工程に合わせたカスタマイズが必要だったり、最初に要求されるデータが多く用意に手間がかかったりと、我々の思い描いているようなサービスを見つけられませんでした。
そんなときにAmplify SEの話を聞きました。『生産計画は、膨大な組合せから最適な解を求める組合せ最適化問題で、Amplify SEはそのような難しい問題を高性能コンピュータで高速・高精度に解くサービス』だと説明を受け、それはまさに我々が望んでいる機能だと思いました。技術的な背景がしっかりしていて地に足がついた技術だと思ったことも決め手になりました。
鍋島様システム化によって計画担当者の業務負荷軽減が見込める一方で、これまでの人手による計画立案はフレキシブルで良い面もあります。システム化への抵抗感を無くして納得できるシステムを導入するために、初期段階から計画担当者と丁寧にすり合わせを行って信頼関係の構築に努めてきました。
Amplify SEを使うと小さな範囲からシステム導入を始めることができます。最初は計算の前提やデータの精度が原因で望む計算結果が出ないこともありましたが、計画担当者と一緒に手持ちのデータで試行錯誤することで、本当に使えるシステムを作り上げることができました。
鍋島様Amplify SEを、自社開発した生産計画アプリの最適化計算エンジンとして使っています。自社の生産管理システムとデータ連携して生産計画の最適化計算をし、実績と並べて可視化しています。ユーザーインターフェイスを自分たちで作ったことで、担当者は違和感なく使用してもらっています。これらのシステム構築はFixstars Amplify社の支援もあり、1カ月で作ることができました。バックワードスケジューリングで出てくる計算結果も望んでいた通りに出ています。
水口様
生産性向上プロジェクトは『Just In Time』を目指して推進してきましたが、Amplify
SEは活動を成立させるために欠かせない最後のピースになりました。
標準作業化や一部の製品の生産リードタイムの短縮など少しずつ形になってきましたが、取り組みはまだまだこれからです。垂直展開、水平展開を進め、目に見える成果を出していきたいと思っています。
*本記事の掲載内容は全て取材時(2023年8月)の情報に基づいています
Amplify SEの特長を的確に捉えて活用していただいている事例です。現場の方と一緒にスモールスタートでプロジェクトを推進し、垂直展開、水平展開とステップを踏んで進められているというお話を伺い非常に感銘を受けました。また、Amplify SEがこの素晴らしい活動の一端を担えたことを大変うれしく思っています。タアフ様が目に見える成果を上げるまで、引き続きご支援させていただきたいと思います。
聞き手:小林 隆之(株式会社Fixstars Amplify)